僕は、幼稚園のころから数字を見ると色が浮かびます。
母方のお爺ちゃんは、油絵の画家でした。
お爺ちゃんの家は、自宅からそれほど遠くない場所でしたので、
週末にはよく遊びに行きました。
日曜日には、近くの子供たちを呼んで絵画教室をアトリエで開いていましたので、
僕もそれに参加していました。
元々落ち着きのない僕は、絵を描くことに集中できず、
今思えば下手だったんだと思います。
ただ、参加した子供たちの中に、普通の文房具屋さんで売っているクレヨンセットとは
違うモノを持ってくる子が数人いました。
「わぁキレイ! この色、、僕が持っていない色だ! 欲しいなぁ・・・」
グレーで透明なプラスティックケースの中に並んでいるクレヨンに、
絵を描く以上に興味が惹かれました。
お祖母ちゃんにねだって、そのころ国産のクレヨンでは最多の60色のさくらクレヨンを
買ってもらいました。またその後、小学校に入ってから36色の色鉛筆を買いました。
ですから、絵を描くより色をたくさん集めて、その色に触れることがハッピーだったんです。
例えば左端を赤から、またある時は白から色のグラデーションを並べて、
その美しさに酔いしれながらワクワクしていた変わった子供でした。笑
数字を見ると色が浮かぶ、、、いつの頃からか、そんな自分に気づきました。
それまで、それが普通だと思っていました。
今から15年くらい前でしょうか、テレビ東京で「脳の科学」という番組を
たまたま観ていたら、その日は「共感覚」の特集でした。
音を聴くと味を感じたり、ピアノの鍵盤をたたくと色が飛び出したり、、、。
数名が取材に応えていました。その一人が、” 数字を見ると色が浮かぶ ”・・・・、
「なんだ、これ、自分のことじゃないか、、、へ~~色彩共感覚(Color synesthesia)っていうんだ!!」
ちょうどミクシィーをしていた頃だったので、色彩共感覚者のグループに参加して、
他の人は感覚がどう違うのか知りたかったのです。
すると、人によって数字と色の組み合わせやそれぞれの色が微妙に違うことを知りました。
例えば僕の場合は、1=黒または白、2=肌色のようなはっきりしない色、3=黄色、
4=青、5=イチゴ色のような濃いマゼンタ、6=オレンジ又は黄赤色、7=空色、
8=ビリジアン(青っぽい緑)、9=こげ茶色、
そして、「0」=色のない透明なゼリーのような、、、
0(ゼロ)って思うと、変な感覚が湧きます。
なんていうか、ワイルドカラーというか、すべての色を生み出す源のような。
物理学でいえば「ダークマター」、仏教でいえば「無」とか「空」とかでしょうか、空っぽではなくて、なにか高密度な感覚がします。
それが僕がイメージする「0(ゼロ)」です。
この数字と色の組み合わせは今も変わりません。
そして今は、僕の仕事場の壁に世界一の色数といわれている525色の色えんぴつが並び、
眺めながら愛用しています。
Comments